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気ままに語ります。SQやコミックス、その他もろもろ発売日当日にネタバレしたりしてますのでご注意ください。
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気付けばまた1ヶ月放置。
仕事面でバタバタしております。
1人辞めちゃって面接とかして決まってひと安心とか思ったら今度は人事異動でまさかの社長退任。
正直ものすごくショックで、これまで前の会社とかでも上司が変わるという経験をしたことがなくて、上司が変わるってこんなに衝撃を受けるものなのかと呆然としてしまいました……。
さらに本社から無茶振りされた仕事があったりとかして……まだ赤柳の世界に戻ってこれそうにないです……。
いつになったら落ち着くんだろう~……。
そんなわけでまだ連載の続きやオフ活動は白紙ですが、ちょっとは書いておかないと書き方忘れる…と思ってリハビリ的な与太話を書いてみました。

前にも書いたことありますが、番傘を差す蓮二さんはたまらん萌えだと思うのです。





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「蓮二、この対戦表なんだけど……」
ノートには部内での練習試合の対戦表が書かれている。
たまには部長らしく、といつも柳に任せていた組み合わせを自分でしてみたのだが、ミスを見つけて修正しようとしたら混乱してきた幸村はもう柳に任せようと考えた。
やっぱり慣れないことはするものじゃない。立海には柳というオーダーを組むのが大好きな(※幸村談)参謀がいるのだ。
とはいえ、どこを間違えてこうなったんだろうと考えていたから幸村はノートにばかり視線を向けて柳を見てはいなかった。
だがこの季節、柳を見つけるのは簡単である。他の誰にもない目印があるのだ、柳には。
その目印とは茜色の番傘。
だいたい春の柔らかい日差しから眩しく強い紫外線へと変わる頃から柳は番傘を使用し始める。
普通の日傘ではなく番傘という古風な物を愛用する柳はあまり人の目を気にしない。
聞けば幼少の頃から番傘を愛用しているというから最早他人の物珍しげな視線には慣れているのかもしれない。
とにかく紫外線――直射日光の苦手な柳は部活にも番傘を持ち込んでいるので、目立つのだ。
「蓮二ってば」
茜色の番傘を差しているその後ろ姿に声をかけた幸村だったが。
「柳先輩ならタオル忘れたって部室に取りに行ったっすよ」
くるりと番傘を回すようにして振り返ったのは赤也だった。
「なんでお前が蓮二の番傘を差してるのさ」
「へへ」
答えになっていない、得意気な赤也は番傘をくるくると回して遊んでいる。
ごく一般的な家庭に番傘は置いてないだろうし珍しいのかと思うが、赤也はやけに番傘を気に入っているようだった。
「コレ、綺麗っしょ?」
言われて幸村はそこではじめてこの番傘が去年まで持っていた柳の番傘とは違うことに気がついた。
去年までは確か、無地の茜色の番傘だった。
だが赤也の持つそれは色は同じだが模様が入っていて目立つものではないが無地の番傘が味気なく感じるくらいには艶やかだった。
それにしても、それは完全に女物である。
「俺が選んだんすよ!柳先輩に超似合うっす!」
それでそんなにご機嫌なのか、と幸村は納得した。
番傘を手にしている赤也という図は似合わないの一言だが、これが柳だったら……と考えると、うん似合う物凄く似合うね!と幸村も大絶賛する勢いだ。真田風に言うとたまらん番傘ということになるだろう。
しかし、女物である。無地の茜色の番傘は確か母親から譲り受けたものだと聞いた。色も派手な赤ではないし、無地だから……ということで使用していたことを幸村は知っている。
「よく蓮二が了承したものだね」
この赤也が選んだ番傘は色目も模様は確かに派手ではない。だが見るからに女物で余計に他人の好奇の目を引きそうで、赤也が選んだと言っても
柳がすぐ同意したとは思えない。
「先輩は紺色の無地のヤツ選ぼうとしたっすけど俺が阻止したっす。だってコレが一番先輩に似合うし!」
「女物だよ?」
「関係ないっすよ。幸村部長だって紺色よりこっちって思うでしょ?」
「まあね。蓮二にはよく似合うと思うよ」
「でしょー!」
赤也はにこにこご機嫌だ。確かに赤也の趣味は良いと言える。
「俺、この番傘差した柳先輩と夜桜見に行きたかったっす……!今年は桜に間に合わなかったっすけど、来年は!」
「……赤也、お前さあ」
口には出してないが赤也の脳内で番傘差して夜桜を見る柳はきっと着物か浴衣姿であるに違いない。
「青姦はするなよ」
「ししし、しないっすよ!な、な、何言ってんすか……っ!」
慌てふためく赤也を幸村は冷ややかに見下ろした。
後輩の和風好みを意外に思いつつ、しかし赤也の想像する柳は幸村も心のアルバムに収めておきたいものだ。
来年の花見は俺も行こう。
そう決心したところでタオル片手に柳が戻ってきた。
赤也がすかさず走り寄り、番傘を柳に手渡す。
茜色の番傘を差す柳を見た瞬間、幸村は改めて後輩の趣味の良さに感心したのだった。





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赤也が蓮二さんの番傘を選ぶってエピソードはどこかで使った気がしますが、この設定が大好きです。たまらん!
そして蓮二さんに対する好みは赤也と幸村はよく似てると思います(笑)

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前に拍手お礼文に、と思って書いたものの中途半端で放置してあったものに書き加えて仕上げてみましたがだらだら長くなっただけのような気がするので与太SSの方へまわしました。

連載更新するには時間が足りませんでした。すみません~。
先週は仕事が忙しくて1週間まるまるブログ書いてない!という状況でいかんなあと思いました。3月もバタバタしまくるんですができるだけブログも書きたいです。でないと放置癖がついてしまう…。


更新もブログも止まっていた間、拍手ありがとうございました!
連載へのコメント、いつもありがとうございます!レス不要でのコメントもありがとうございました!
すみません、今回はここでまとめてお礼を言わせて頂きます。
仁王の役回りが良かったとのお言葉すごくうれしかったです!仁王の出番が長かったのはモアプリの影響です…(笑)

与太話は追記からどうぞー。






大阪ミュは終わってしまいましたね。
お疲れ様ー!
仕事が忙しくて今頃、千秋楽始まってるなーとか思ってる暇もありませんでした。
でもオッキー蓮二さんについては思い出すと語りたくなって困ります。
同じことを何度でも言いたい。でも同じことばっかり書いてたらうざいと思うので自重。
ああでもオッキー蓮二さんの目元が好きだ。アイラインが好きだなあ…!
写真の制服バージョンのオッキー蓮二さんがすごい好きだなあ…!
早く名古屋公演観たい!その前に広島公演ですね。
観劇される方、オッキーの美しい柳蓮二を堪能してください~。



以下、久しぶりに与太話です。







「赤也、夏休みの宿題は終わったのか」
「えーと、読書感想文と数学と英語のプリントがあと5枚くらい残ってる感じっす」
「……もう27日だぞ?」
「そうなんっすよ。だから週末柳先輩ん家に泊まりに行ってもいいっすか?」
「宿題は、自分でやりなさい」
「えー。教えてくださいよー。んで本も貸してください」
「本?読書感想文の?」
「そうっす。難しくなくてあらすじ読めばちゃちゃっと感想かけるやつないっすか」
「……」
「金曜から泊まりに行ってもいいっすか?あ、俺ん家でもいいっすよ」
「だから宿題は自分で……」
「あ、蓮二ー!やっと見つけたよ。あのさ、週末遊びに行ってもいい?宿題終わんなくってさー。手伝ってよ」
「幸村部長!柳先輩は俺と約束してるんで他あたってください!」
「何だよ、お前が他あたりなよ。真田とかどう?」
「お断りっす!!」
「精市……お前もなのか。宿題というのはもっと早くから」
「だって毎日テニスばっかりだったじゃないか。いつ宿題やるヒマあるっていうのさ。ブン太だって仁王だってまだ終わってないって言ってたよ」
「弦一郎と柳生とジャッカルはすでに終わらせているぞ」
「あいつらはマジメの塊だからな」
「何が残ってるんだ」
「数学と英語とあと読書感想文。何かいい本ない?簡単なやつね」
「…………お前たちは似ても似つかないのに、時々妙に似ているときがあるな……」
「赤也?なに、お前もまだ終わってないのかい」
「うっす。数学と英語と読書感想文がまだっす」
「へー。それで蓮二に教えてもらおうって?ダメだよ、蓮二には俺の宿題手伝ってもらうんだからな」
「ずるいっす!俺の方が先っすよ!」
「お前は真田か柳生にでも教わったらいいだろ」
「イヤっすよ!幸村部長が真田副部長か柳生先輩に教えてもらえばいいじゃないっすか。ていうか部長は教えてもらわなくてもできるっしょ!」
「教えてもらうんじゃないよ、手伝ってもらうんだよ!」
「俺ですら教えてもらいながら自分でやろうって思ってんのに部長のくせに楽しようとしすぎっすよ!」
「いいだろ、別に。部長なんだから」
「なんっすか、それ!!」
「そんなわけだから、蓮二、手伝って」
「俺の宿題みてくれるっすよね、柳先輩!」
「……だから宿題は自分でやれ」

しかし結局、赤也と幸村の宿題をまとめて面倒みることになった蓮二さん。真田の耳に入ってまずお説教から始まろうとしたのを幸村が一刀両断しました。
「うるさいんだよ、真田!時間ないんだよ、明日もテニスだろ!俺がテニスできなくなってもいいのか!?口動かす前に手を動かせよ。ほら、これ、数学のプリント!よろしくな!」
あまりの傍若無人さに赤也、思わず感心。
真田副部長にこれだけ堂々と言えるのは幸村部長しかいねえ…!
そんな赤也に「赤也、そこ間違ってるぞ。そことここも違う」と蓮二さん、幸村のプリントを解きながらひたすら赤也のプリントの添削をしてました。
ちなみにブン太の宿題はジャッカルが、仁王は柳生の宿題を丸写しです。






まあ原作の幸村なら宿題はちゃんと自分でやってるでしょうけど、うちの幸村はこんな感じ…(笑)


拍手ありがとうございます!
追記にレスです。



明日から夏休みです。今年は長くて16日まで休みだー!
うれしい反面、その間の仕事がどわーっと押し寄せてきて大変でした。
休み明けにまたどわーっと仕事ですが、それは休みが終わったら考えるとして、明日からの休みを満喫しようと思います。
来週はもう夏コミなんですよね。少しずつ準備しておこう。

以下、久しぶりに与太SSです。






幸村 「はい、蓮二。あーんして」
赤也 「ちょっと部長、こんな公衆の面前で何やってんですか」
幸村 「公衆の面前って別にたかだが学校の食堂じゃないか」
赤也 「俺らみたいに部長たちの奇行に慣れてない奴らが
    大勢いるってことっすよ。ねえ、副部長!」
真田 「……まあ、なんだ、蓮二は蓮二でA定食があるし、
    自分の弁当を分けていると腹が満たされんぞ、幸村」
幸村 「卵焼きをひとつあげようとしてるだけだろ?
   はい、蓮二。これ俺が作ったんだよ。
   おいしいだろ?」
柳  「ああ、うまいな。塩加減が丁度いい」
幸村 「そりゃ蓮二の好みに合わせたからね」
赤也 「柳先輩まで!アンタねえ、フツーの男子中学生は
    メシを食べさせたりしないんすよ!」
柳  「いいじゃないか、卵焼きひとつくらい。
    赤也も食べるか?これは学食の卵焼きだが」
赤也 「えっ」
柳  「ほら、あーんしろ」
赤也 「うっ」
幸村 「……なんだよ、結局お前だって食べてるじゃないか」
赤也 「だだだって食べるしかないっしょ!」
柳  「ところで精市、基本的に食堂に弁当の持ち込みは
    禁止だぞ」
幸村 「分かってるけどさ、今日は蓮二も珍しく
    食堂って言うし、真田もだし。て言うかさあ、
    真田、よくそんなに食べれるね」
真田 「そんなというほどの量はないと思うが」
幸村 「B定食に大盛りラーメンで?その組み合わせは
    ありえないよ」
柳  「そのどちらか一方だけで十分だと思うぞ、俺も」
真田 「お前たちの食が細いだけだろう」
赤也 「そうっすよ。部長の弁当箱も小さいし柳先輩も
    女子に人気のA定食だし。俺だったら部活まで
    持たないっす」
柳  「赤也も見かけのわりに食べる方だな。
    大盛り定食の上にパンか?」
赤也 「育ち盛りっすから!」
幸村 「横に育たないようにね」
赤也 「大丈夫っすよ。心配なのは丸井先輩っすよ。
    今日も購買でメロンパンだのジャムパンだの
    クリームパンだのデザートにプリンだのって何が
    主食なのかわかんないっすよ」
幸村 「ああ、ブン太はねえ……。あれは困りものだな。
    体重、ヤバイんじゃない?」
柳  「上限まであと3キロだということを丸井が
    分かっているかどうか怪しいな」
真田 「なんだ、もうあと3キロしかないのか?
    甘いものばかり食べとるからだ」
赤也 「あの、上限って何すか?」
柳  「人それぞれに適正の体重というものがあるだろう。
    丸井はあと3キロでその数値をオーバーするんだ」
赤也 「へえ。もしオーバーしたらどうするんっすか」
幸村&真田&柳 「強制ダイエットだ」
赤也 「……へえ。たとえばどんな方法で?」
幸村&真田&柳 「俺たちと試合して勝てなければ昼抜き、
         そして菓子類を没収だ。甘いもの禁止令を
         言い渡す」
赤也 「……へええ。丸井先輩が暴動起こしそうっすね……。
    メシ抜きに丸井先輩が耐えられるわけねえっす」



----------end




幸村と蓮二さんの食が細いというより真田と赤也の食べる量が多いだけだと思います。食が細いのは仁王。蓮二さんと同じくらいが柳生、真田と赤也と同じくらいよく食べるのがジャッカル、ブン太は食事の量でいえば蓮二さんよりですがそれにプラスして甘いものを食べるので体重増加傾向にあります。
上限超えたら強制ダイエット。
甘いもの禁止令が出たらブン太は必死でダイエットするよりいかに隠れて甘いものを食べるかを考えそうです。この場合ジャッカルは確実に巻き込まれます。




拍手ありがとうございます!






夏コミのカタログを買ってきました。
相変わらず分厚くて重い。必要なのはこの中の数ページだけなのに。
まあ何というか、赤柳少なかったです(笑)
柳受に範囲を広めるとそこそこなんですけどね~。



久々に与太SSです。



俺と柳先輩の家は近い。
だから毎日たいてい一緒に帰っている。そしてそのほとんど、真田副部長が一緒にいる。
果てしなく不本意だけど仕方がない。柳先輩と真田副部長の家が近いからだ。俺と柳先輩の道が分かれてもその先もうしばらくは柳先輩と真田副部長は一緒で、それがたまらなく嫌だけど家を引っ越すわけにはいかないからひたすら我慢している。
柳先輩と真田副部長の家が近いということは、俺と真田副部長の家も近いということに気付いたのはつい最近になってからだけど、そんなことはどうでもいい。むしろ気付かないでいたかったと思うくらいだけど、そんなことは本当にどうでもよくて、今気になってるのは、そのたいてい3人で帰る羽目になっているところが今日は4人になっていたことだ。
「……あのー、部長?」
「なんだい」
「部長の家、あっち方向っすよ」
反対側を指でさす。
幸村部長の家は俺たちとは逆方向で、学校を出るとすぐにさよならになる。なのに今日はてくてくと、部長も同じ方向に歩いている。
「今日はこっちなんだよ」
「……」
今日は、こっち?俺はハッとして真田副部長、幸村部長、柳先輩、俺という並びから部長と柳先輩の間に割り込んだ。
「赤也?」
柳先輩が俺の行動に不思議そうにしたけど気にしていられない。
ここは断固として言わなきゃいけない場面なんだ。
「今日はダメっすよ!」
「何が?」
俺は幸村部長に向かって言ったので部長が聞き返す。
「柳先輩は今日、俺の家に泊まってくれる約束なんです!そうっすよね?」
柳先輩を振り向いて同意を求めると「そうだが?」と答えがあった。
また幸村部長へと向き直る。
「だから今日はダメっすよ!」
断固として。せっかく約束したのに柳先輩をとられるなんて冗談じゃない。ダメダメ絶対ダメ、と目に力を込めて幸村部長を見上げると、部長はそんな俺の顔を10秒間ほどじーっと見てから手をスッと伸ばした。
「いてえ!」
顔というより額に指先が当たったかと思うと脳天までひびくような衝撃があった。
「まだ何にも言ってないだろ」
額を手で覆って痛みに耐えてる俺にそんなに痛かった?と幸村部長は首を傾げているが、パワーSでデコピンされたら痛いに決まってる。
「だって、今日はこっちって」
「そうだよ?今日は、こっち」
俺が指すこっち、は柳先輩だけど幸村部長の指した先は反対側にいる副部長だった。
「へ?」
「そういうわけだ、赤也」
と俺の手をのけて代わりに額をさすってくれたのは柳先輩だ。
「今日は副部長んとこに泊まりっすか」
「真田の家に花壇があるんだけど」
「は?」
庭が広いんだ、と幸村部長は続けて、俺はああそうっすね、と答えるしかなかったから答えた。
「せっかく広いのにどことなく殺風景だなって思ってさ」
「はあ」
「おじいさんだっけ?見事な盆栽とかはあるけどスペースの使い方がもったいなくて見せ方があんまり上手くなくて」
「はあ……」
何の話だろう。柳先輩を見上げてみても先輩はどことなく可笑しげな表情で聞いていた。何が可笑しいのかも良く分らないでいる俺にずっと黙ったままだった真田副部長が口を開いた。
「祖父ではなく母だ。母が園芸に疎くてな。せっかくの庭がこのままではもったいないと言うから」
「俺が頼まれたってわけ。でもあんな大きな庭をきれいにするって時間かかるんだよ。でも今日はちょうど金曜日だろ?」
「休みを潰して庭をきれいにしてもらうのだ。それなりにもてなせねばならんと母も祖父も言っていてな」
「お言葉に甘えてお邪魔しようってわけ」
この2人はたぶん俺に言ってるんだろうけど。
要は今日から日曜日まで真田副部長の家に泊まるってことで、それならそうって言えばいいのに。
なんでそんな遠まわしに言うんだろう。
まあ今回は柳先輩まで道連れにならなかったからいいけど。
でもなんとなく釈然としない気分でいると曲がり角が見えてきた。
ここでいつもなら柳先輩とさよならするんだけど今日は違う。
今日はこのまま先輩は俺の家にお泊りコースだ。
それじゃまた月曜に。手を振って俺と柳先輩は左手側の角を曲がった。
2人になったとたんに柳先輩がくすくすと笑い出した。
「どうしたんすか?」
「いや、さっきの2人が可笑しくてな」
「あー。どうしたんっすかね?部長も副部長も。ふつーに副部長の家に泊まるんだって言えばいいのに。あれじゃ何か副部長の親に頼まれただけって感じじゃないっすか」
そう言うと柳先輩は笑みを浮かべたまま俺を見た。
「あの2人はまだあれが精一杯なんだ」
「あれって?」
「たとえば俺も今日は赤也の家にお邪魔するが、泊まるのに特に理由はないだろう?」
そりゃ確かに誘ったときも「今日金曜だから泊まりに来ませんか」としか言わなかったけど。
「休みの日も一緒にいたいからっすよ?」
「そうだな。でも精市も弦一郎もまだそれを1番の理由にできないということだ」
「へ?」
ってことはつまり。
「あの2人、まだ付き合ってないんすか?もしかして」
「微妙なところだな。気持ちは伝えているだろうが、まだ行動に言い訳が必要なんだろう」
「はあ。それが園芸?」
「そういうことだな」
祖父と母を引き合いに出してまで言い訳する必要があるのかなと思うけど。
「一緒にいたいなら一緒にいたいって言えばいいじゃないっすか」
「それが難しいんだそうだ」
「ヘンな言い訳作る方が難しいと思うっすけど」
「もう少し時間が必要なのだろうな」
「俺と柳先輩にはそんなのなかったっすよね、最初から」
「そうだな。そういえばなかったな」
顔を見合わせて笑う。なんとなく自慢したい気分だった。
真田副部長と幸村部長に、柳先輩のお泊りの理由は一緒にいたいからっすよ!……って言ったらもれなく部長のデコピンが来るだろうってことは柳先輩のデータがなくても分かることだけど。
「あの2人、早くちゃんとくっつくといいっすね?」
そう言ったら柳先輩が自分のことのように真剣に、でも嬉しそうに笑って頷いた。






------end





できあがった赤柳とやっとくっついたような真幸でした。




拍手ありがとうございます!
追記にレスです。



身長差を考えると萌えて萌えて仕方ないです。







「イテ」
ストレッチをしていると切原が膝を抱えた。
「どうした?」
「や、ちょっと膝が」
「膝?痛むのか。病院には行ったのか?」
膝にサポーターをつけた切原は病院で検査は受けたと言った。
怪我じゃないっす、という切原は妙に機嫌が良かった。
膝が痛むのになぜ笑っているんだ?と柳が聞くと胸を張って切原は答えた。
「成長痛っす!」
「成長痛?」
「そうっす」
柳にも経験があることなので納得したが、柳にとって成長痛はかなりつらいものだった。
「どうしてそんなに機嫌がいいんだ。痛いだろう」
「へへ、だって背が伸びるんでしょ!」
「まあ、そう言われているが……」
「柳先輩も成長痛になったりしました?」
「ああ。中1の時にな」
「どれくらい伸びたんすか?」
「そうだな。20センチくらい伸びたな」
「そんなに!?」
切原が驚く。あまりに急激に伸びたから痛みもひどかった。
1番辛いときで歩けないほどになったことがある。そのときは幸村が荷物を持ってくれて真田がおんぶして家まで送ってくれた。
真田も同様に中1で急激に背が伸びたが、柳のようなひどい成長痛にはならず何が違うのだろうとひそかに悩んだものだった。
同じように背が伸びるなら痛みなどない方がいいに決まっている。
なのに切原はサポーターをつけて痛いだろうにニコニコしている。
「俺もそれくらい伸びるかなー。そしたら先輩の身長越しますよね!」
「……ああ」
切原が身長差を気にしていることは知っていた。
正確に言えば柳との身長差というより、真田と柳に身長差がほとんどないことを気にしているのだ。
どうしてそこで弦一郎が出てくる、と1度だけ尋ねたことがあるのだが、「青学のメガネも同じくらいでしょ」という答えにならない答えが返ってきて柳はそれ以上の追求をやめたことがある。
「……成長痛なら少し、練習メニューを変えようか」
「うっす!」
身長が大幅に伸びる可能性もゼロではないし、機嫌良く痛みに耐えているのだから余計なことは言わないでおこうと柳は思った。
それ以上伸びなくてもいいのに、などと思っていることがバレたら怒るよりへこんでしまうのは間違いないだろうから。
「俺、絶対柳先輩より背、高くなるっす!」
いや、絶対なるな。そのままでいい……はちょっと酷だから少しは伸びてもいいが、俺より高くなるな、絶対に。
柳が笑顔の裏でそんなことを思っていたことは切原のために絶対に知らせてはならないことだった。




-----END




ちなみに理想の身長はこうです。

真田 186センチ
柳  181センチ(変わらず)
幸村 175センチ(変わらず)

要するに真田しか伸びません。で、赤也は

赤也 175センチ

ちょっと伸びました。ここで幸村の呪いが発動したと強く推したいところです。
「俺より背が高くなるなんて許さないよ赤也」と言わんばかりに幸村と同じ身長で止まります。
蓮二さんの呪いいや願いも入ってるかもしれません。
絶対(俺以上に)伸びるな絶対だ。と蓮二さんは念じてます。
こっちの方が呪いかな(笑)


拍手ありがとうございます!
追記にレスです。





ようやく金曜日。毎日眠かったです。
SQ読み返して隅々まで見て、仁王の姿がまったくないことに今頃気がつきました。大石もいない感じですが……もしかしてホントに負けたら脱……いやいやいや、今後あるかもしれない敗者復活戦を……いっそ解説役とか試合のギャラリーとしてでもいいからいてほしいなあ。


以下。短い与太です。





「やっぱり日焼け止め塗ったりしてるんすか?」
順調に日焼けしていっている切原とは違ってあまり焼けていない足を見ながら尋ねた。
腕は長袖ジャージでガードしているし、首元まできっちり覆われている。
足だけはハーフパンツからすらりと伸びていて太陽の光を浴びているが、日に焼けた様子はない。
「一応な。汗で流れるからあまり効果はないが」
「あ、やっぱり」
そうだろうなあと切原は納得する。そうでなければ炎天下でテニスをやっていてその肌の色はない。普段から日差しの強いときは番傘を差しているし、そういうところからこの差は出てくるのだろうと切原は自分と柳の肌の色合いを見比べた。
「先輩、じゃあ今度さあ」
「うん?」
お願いがあるんすけど、と前置きして言った。
「今度、俺が塗ってもいいっすか?」
「ああ、いつでも貸すぞ」
「じゃなくって、俺が先輩に日焼け止め塗りますよってことっす」
「…………」
この子はまた、何を突然言い出すのだろう。
柳はにこっと笑っている切原に大きなため息をつきたくなった。
「赤也……」
「いいじゃないっすか。海とか行ったらよくある光景でしょ」
「海ならな」
学校で、部活動のときに、なんて聞いたことがない。
水泳部じゃあるまいし。
「いいでしょ?先輩」
あくまで無邪気さを装って甘えてくる切原に柳は今度こそ大きくため息をついて、誰もいないところでという条件で変なことはしないという約束も取り付けてそれから他には、と色々と考えた。
柳なりの譲歩だったがその考えている様子をもし幸村が見ていたとしたら、最初からノーという選択肢はないんだな、と呆れていたに違いない。




-------END



そして幸村も「俺も塗ってあげるよー」と言って幸村相手だと最初から渋らない柳にこの差は何なんだ!と赤也が拗ねる、というのがうちのお約束展開です。でもどれだけ渋ったとしても蓮二さんの赤也への返事はイエスしかないのです。これもお約束。


拍手ありがとうございます!
追記にレスです。







「ご機嫌っすね」
携帯でメールを打っている柳に切原が面白くなさそうに言った。
「顔、笑ってる。誰からっすか、メール」
聞きながら大方、幸村か真田だろうと思う。しかし柳は首を横に振った。
「じゃあ青学のメガネっすか!」
「はずれだ」
幸村と真田でなければ、と関東大会を経て交友が復活したという幼馴染が相手か、と思ったらそれも違った。
「じゃあ誰っすか?」
柳生あたりだろうか。柳は笑ってそれも否定した。
「これは精市の妹だ」
「……妹ぉ!?」
素っ頓狂な声を上げてしまったのはまったく予想外の相手だったからだ。
というか切原は幸村に妹がいることは知っていたが、実際に見たことはなかった。
「なんでまた、部長の妹とメール……」
「最近携帯を持つようになったと言っていたからアドレス交換したんだ」
「へえ……」
いったん納得したものの、すぐにん?と首を傾げた。
「部長の妹っていくつっすか」
「小学校3年生だな」
「なんだ、わりと年離れてるんっすね」
「そうだな。可愛い子だぞ」
携帯で文字を打ちながら柳が精市にそっくりだ、と言った。
「そっくり……顔が?」
顔ならばまあ、可愛い部類に入るだろう。幸村部長は顔だけでいえば中世的な容貌で、本人の前では口が裂けても言えないが女顔だ。
「顔も似ているが性格もな。あの兄にしてこの妹ありといったところだ」
「……そっすか」
「赤也は見たことなかったか?」
「ないっす」
「じゃあ今度……」
「いいっす。遠慮するっす」
なぜ?と柳が不思議がったが切原としては幸村が2人いるようなところは極力避けたい。今の柳の様子から見ても、柳が幸村の妹を可愛がっているだろうことは一目瞭然だ。アドレス交換するくらいだから仲が良いだろうと簡単に想像がつく。それにしても小学3年生の女の子とメールって。
「柳先輩って3行以上のメール打てんの?」
メールを送信し終わった柳が携帯をポケットに入れた。
「小3の女の子だったら絵文字顔文字いっぱいでしょ」
「ああそうだな。いつも画面がにぎやかだな」
「同じテンションはムリでもちょっとは相手に合わせないと。柳先輩のメールって素っ気ないし」
「ちゃんと合わせてるぞ」
絵文字も顔文字も駆使しているらしい。
それだけではなく、幸村の妹が送ってくるメールと同じ分量ほどのメールをちゃんと返しているのだと柳が言うので、切原はちょっとそれマジっすか、と拗ねた。
「俺にはいっつも3行くらいしか返してこないのに!」
しかも顔文字も絵文字もない。いたって事務的な返信だ。
「赤也は3行でいいだろう」
「なんで!」
「3行以上必要なら電話する」
「でも」
「電話でいいじゃないか」
「……そりゃ、メールより声聞けた方がいいっすけど」
「だろう?」
「でも……!」
でもせめて5行くらい返してほしいと思うのはわがままだろうか。



---END


蓮二さんはメールより赤也の声が聞きたいんだよーという話で
でもでも赤也は事務的メール以外のメールがほしい。せめて5行…!という話でした。
幸村の妹は捏造です。
年が5つ以上離れてて幸村似で蓮二さん大好きで普通なら怖がりそうな真田にも懐いてるようなそんな幸村のミニチュアな妹。
だったらいいなーという妄想です。



拍手ありがとうございます!




夏コミ発行予定の「左側の天使~」の書き下ろしのサンプル文をアップしました。
書き下ろしにタイトルつけるのが面倒だったために後日談と銘打ってます。

昨日は1日原稿やってたはずなんですが、どれだけ書こうと思っても1日に10ページ以上書けたためしがありません。
しかも調子良くて10ページ。どれだけ書くの遅いんだっていう…。
そろそろカレンダーとにらめっこして締め切りはこの日だ!と自分を追い込まないといけない気がしてきました。
がんばってこよー。



以下、短いですが与太SSです。







幸村「梅雨時ってホントにうっとうしいなあ」
赤也「同感っす。おかげでいつもより早く起きなきゃなんねーんすよ」
幸村「ああ、分かるなそれ。まとまらないんだよな」
赤也「そうなんっすよー!マジで大変なんです」
幸村「それでプールのある日なんか最悪なんだよなあ」
赤也「そうそう!この辛さ、分かってくれるの部長だけっすよ」
幸村「だろう。俺の気持ち分かってくれるのも赤也だけさ」


真田「……何の話だ?あの2人が意気投合しているのは珍しいな」
柳 「精市と赤也はこの時期になると仲が良くなるんだ。
   知らなかったか?」
真田「知らん。なぜだ?」
柳 「梅雨だから」
真田「梅雨?何の関係があるんだ」
柳 「つまり髪がだな、湿気でふわふわくるくるまとまらん、と。
   そういうことだ」
真田「そういうものなのか」
柳 「いいか、弦一郎。あの2人の怒りを買いたくなければ
   そんなに大変なのか、とかたいしたことではないだろう、
   とか一切言うな」
真田「う、うむ。しかし……」
柳 「言うな。俺たちには分かり得ないことなんだ」


幸村・赤也……共通点:クセ毛。幸村はふわふわ。赤也はくるくる。
真田・柳………共通点:サラサラキューティクルヘア。枝毛なし。





拍手ありがとうございます!


明日、SQゲットできるかなーとわくわくどきどきしております。
朝にゲットできても読んだら仕事が手につかなくなりそうなので家帰ってから読もうと思います。




以下、与太SSです。





「精市は、いつから弦一郎を好きだったんだ?」
次の数学の試験はこのあたりを中心に出題される、英語はこのあたり、と退院して間もない幸村に試験の出題傾向を教えているのに紛れて柳が突然言い出したため、さすがに幸村も反応が遅れた。
「なに、急に」
「いや、そういえば聞いたことがなかったなと思って」
聞いたことがないどころか幸村が真田を、という話題さえ口にしたことはなかった。柳もそして幸村も。
「試験のこと話してたにそんなこと考えてたの?」
幸村は入院していて遅れてしまっている勉強を取り戻そうと懸命になっていたから完全に不意打ちだった。
「隙をつかないと精市は答えてくれないからな」
「……言わなくても分かるんじゃないの」
素っ気なく幸村は教科書に目線を落とす。
「まあだいたいこのあたりだろうと推測することはできる」
「じゃあそれでいいよ。蓮二の想像通りで」
「本当か?俺が知りたいのはそのとき精市がどういう気持ちになったか、ということなんだ」
「なにそれ?」
幸村が顔を上げる。柳を見ると今までにあまり見たことのないような、面映ゆい表情でいて幸村はどうしたのさと尋ねた。
「蓮二はどうしてそれを知りたいんだい」
それ、というのはつまり恋心というものなわけで、それを知りたいという柳に幸村は目を細めた。行儀悪く机に頬杖をつく。
「つまり蓮二に気になる相手ができたってわけだ」
「……なんでいきなり機嫌が悪くなるんだ」
「べっつにー?そうか、とうとう蓮二にも好きな相手ができたってわけだ」
「好き、かどうかは……」
語尾が弱くなる。まだ自分で判断できていないらしい。それでいきなり真田の話が出てきたのか、とようやく幸村は納得した。
「で、誰?」
「え?」
「蓮二の好きな人」
「……分かるんじゃないのか?」
「まあだいたい想像はつくんだけどね」
想像はつくけれどまさか、と思う気持ちもある。
「でもそういう気持ちの内訳って人それぞれじゃないのかな」
「かもしれないが、少しでも参考になればと思ったんだ」
「そうだなあ」
幸村は席を立って柳の前まで移動する。
「こういう感じじゃない?」
言って、幸村は柳の頭を抱え込むように腕を回した。
「精市?」
「こうやってさ、ぎゅーっってしたくなるんじゃない?」
柳は少し黙っていたが同じように幸村へ腕を伸ばした。
「……そうかもしれない」
背中に回った腕を感じながら幸村はきっと絶対に今、身代わりにされていると思った。
柳がぎゅうっとしたくなる相手はやはりあいつだろうか。
はっきり聞くのも何だか嫌だ。
特に離れるきっかけがなかったからくっついたままでいると、小さな物音がした。そういえば教室のドアは開けっぱなしだった、と気づいて幸村が視線を投げるとそこにはあ、の形で口を開けたまま突っ立っている後輩が1人いた。柳はちょうど背を向けているから背後の存在には気づいていない。
さてどうしようか、と幸村は少し考えた末にそのままの体勢で言葉を口にすることもせずにただゆっくりとほほ笑んでみせた。
そうすると後輩は怯んだように踵を返した。
誤解させたかもしれない、と思ったがすぐにそれはそれでいいやと思い直す。どうせそのうち誤解は解けるのだ、少しくらいはいいだろう。
真田への気持ちも柳への気持ちも大差ないんだけど、と言えば柳はどうするだろうか。しかし今さら言ってももう遅いだろうと幸村は分かっていた。
あーあ、入院してる間に大事なもの攫われちゃったなあ……とやや感傷に浸っているとまた誰かが来たようだ。
「まだ残っていたのか」
教室で2人、傍から見れば抱き合っているように見える柳と幸村に驚きもせず真田が教室に入ってくる。
「風紀の仕事は終わったのか」
柳が真田に声をかけると同時に幸村が柳から離れた。
「ああ。もう帰るところだがお前たちはどうする」
「俺たちも帰ろうか、精市」
「そうだね」
それにしてもさすが真田、俺と蓮二が何してようとすっかり慣れて気にしなくなったな、と妙な感心をすると同時にまだまったく慣れていないだろう、さっきの後輩を思い出す。
「あのさあ、蓮二」
さっき、真田が来る前にあいつがいたんだけど。
そう教えてあげるべきだろうか。
「なんだ?」
柳はやはり気づいていなかったのだろう。
どうしようかなあ。
どちらかというと即断即決の幸村だったがこれには少しばかり迷った。
「……やっぱり、いいや」
教えてあげない。
柳は何も知らないとして、あの後輩はどうするだろう。
それを見てからでもいいやと幸村は言わないことにした。
さっき、赤也がいたんだよ―――とは絶対に。






相変わらず蓮二さん大好きな幸村でした。



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